2010年5月6日木曜日

注意! 第1ステージ報告の目的について


第1ステージの報告は、教材に取上げる社会事象についての授業担当者自身の認識・理解をしっかりしたものにするための報告です。報告の相手は小学生ではなく、あくまでも今後に授業をすることになる筈の未来の教師である君たちの自身に対する報告です。

既にいくつかの班から、本日の報告について「小学生には難しすぎる」といった批評が寄せられています。これは、第1ステージの報告の目的をまったく理解していない見当外れの批判です。小学生に難しいかどうかが問題になるのは、第2/第3ステージで小単元や導入部分の授業案を作る際です。

第1ステージでは、君たち未来の教師である学生にとって分かりやすい報告であったかどうか、報告内容が将来、授業を準備するうえで不可欠のの前提となる、教材に取上げる社会事象に関し<問題の概要・全体像と要点>が押さえられていたかどうかが問題になります。今日の報告に対する批評では、ゴミ問題の概要・全体像、そしてこの問題に立ち向かう上で落とすことのできない要点が理解できたかが論点になるでしょう。

以下に4月22日の指示を再録します:

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1.第一ステージでは、教材に取上げる社会事象について<
問題の概要と要点をつかみ、子どもたちの生活経験との関わりを見つけ出す>ことが課題です。

各班の報告は、
1)取上げる対象の全体像
2)何が問題になっているか
3)子どもたちの生活経験との関わり
について、報告する君たち自身の問題関心を自覚しながら作成すること。

1)対象の全体像とは、その社会事象を大まかに認識するときに落とすことのできない事柄、事象の特徴、注目されている他の社会事象との関係などです。例えば、ゴミ問題なら、産廃から生活ゴミを含む廃棄物の現状、その発生原因、処理・リサイクルの現状、派生している社会問題。

2)「問題になっている」とは、それが解決・克服されるべきものとなっていることを意味します。例えば、リサイクルによっても解消しない増える一方のゴミをどうするか。リサイクルの費用負担は、生産者・販売者・消費者の誰が負担すべきか、といった問題です。

3)子どもたちには、自分が経験していない事柄、現実の生活の中で感覚できないことを認識することは、その発達段階によってはなかなか難しいことです。生活経験との関わりがある事柄から学習は始まります。

つまり、既に知っていること、子どもたちに出来る注意や工夫によって、新たに気づいたり知ったりすることが出来る事柄が、取上げる社会事象のどこにあるかを見つけ出すことが決定的に重要です。

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