2011年6月7日火曜日

6月2日・講義メモ


1.メディアの歴史的変化
−1)技術的発展
・ 直接の対面的伝達からの「離脱」
・ 活字、電波通信、電子通信の発明
・ 伝達経路の変化:双方向交流から一方的拡散・放射broadcastへ
−2)伝達効果
・ 速度と大量性
・ 聴覚、視覚への刺激(思考よりも感情を) > 活字:反省的吟味の可能性

2.マス・メディアの成立と展開
−1)発信/伝達手段・装置の高度化(複雑・大規模化):設備投資の増大
−2)送り手と受け手の分離
・ “作られる情報”:誰が、どのようにして情報を捉え、加工し、発信するか
・ 送り手の利害と受け手の利害の不一致
→ 操作のための情報伝達:PR
⇔ 社会生活に必要な情報
* 多くの民衆にとっては、必要な情報が得られず、一方的に送られてくる情報の「洪水」「津波」の中で溺れないように泳がなくてはならない。

3.商業化
−1)情報もそれ自体が商品になる:情報も売れれば必要ないものでも商品になり、必要ある情報でも儲からないものなら売られない(メディアに載らない)。
ex. 悲しいニュースよりも明るい話題。政治経済よりスポーツ・芸能。演技よりヌード。
−2)Public Relation 広告:情報以外の商品を売るための情報、購買動機を刺激するための情報、個人の対社会意識・自己意識を変えるための情報、等々。
* 政治目的をもった世論操作(狭義:ex. 宣伝大臣ゲッペルスをおいたナチ、大本営発表、米軍の従軍記者ブース、官房長官記者会見)だけでなく、商品広告(ex. 来年の流行色は前年に業界で決める)も政治的世論操作と同質の機能をもっている。
−3)広告会社
電通、博報堂など;宣伝だけでなく「イベント」と造り出し演出する。

4.インターネットの可能性
−1)特徴:高速大容量、双方向、網の目grid状;
−2)開放性の高さ:設備投資が膨大にかかる放送よりも一般民衆が参入しやすい。

5.マス・メディアの公共性
ー1)上下水道、電気ガス、保健衛生、防災、交通などの公共事業・施設と同様に公共性をもつ。
−2)その運用
・ 私的利害(特に商業目的)で使われる趨勢。
・ 一般民衆は受動的受け手であることを強いられるしかないのか?
* 必要な情報にアクセスすることを権利として保障する必要:
<知る権利>、情報公開;マス・メディアの運営への参加
* 唯一正しく公正な情報が「自然に」存在する訳ではない。
情報の多元性、異論へのメディアの開放、対立する見解の対話・討論の保障、等々。
それでも「正しい情報」が予定調和的に得られる訳ではない:
−3)ジャーナリスト vs. 経営者
ジャーナリスト:重要だと考えられる情報を取材し、記事し、編集し、発信する。
多くの場合、マス・メディア経営者に雇われた労働者。
経営者:ジャーナリストであるとは限らない。
* ジャーナリストがその職業的良心に従ってより良い仕事をすること。これが経営者の利益と対立することもある: cf. 教員と学校経営者・教育行政機関

6.意識・文化の再生産手段・資源としてのマス・メディア


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