2011年6月23日木曜日

6月16日・講義メモ


(小学校社会科で)何をどこまで?

1. 「社会科は何のためにあるか?」の問いに再び立ち返る:
 (将来)社会の主体的担い手:市民にとって、当該の社会で共に生き社会問題に立ち向かって行く上で必要となる基礎的素養(C)
Cに繋がる社会事象(A)を取上げる
小学校:Aについて<自分たちの問題関心を立ち上げる

子どもたちの生活(a)の中から出発する
<接点>:a)からc)へ向かう知的活動:
1)「何故だろう?」を立ち上げるもの
2)疑問を自分たちの活動によって解いて行く
3)より先の疑問「もっと知らなくてはならないことがある」へ拡げる

2.<A-C>連関
その幾つかの階梯を経てCに至る
中学校:Aで作られた問題関心を受けて、当該社会事象の全体像の把握(B)へ、
高校(大学):C
大学(大学院):Cへの専門家として取り組む素養

3.第2ステージで取上げた社会事象の今日的意義

1) ゴミ問題:
人間の生産活動の拡大に伴う、物質的生活と自然界との代謝関係の変質問題
2) スーパー/コンビニ:商品・市場経済が社会生活を拡げ、歪めるなどの問題
3) マスコミ:情報伝達の仕組みが人々の
社会的意識をそのあり方を再生産し、方向付ける問題
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異文化理解問題とは何か?

0.「文化」とは?
culture < cultivare(耕す)の訳語
3つの意味
1)自分自身を耕す:人間形成の過程
2)その結果、達成したある精神的・物質的な活動様式や状態。「文化住宅」「文化生活」「文化遺産」
3)そのために用いられる手段:学問、藝術など。「文化の薫り」
cf. 中国語の「文化」:支配者による教化
広く、<生活のあり方>全般を示す

1.なぜ「異文化」理解が問題になるか?
-1)globalization
 「国境」を越えた、モノ(カネを含む)、人、情報の移動、相互依存の高まり。
 「国内」的関係と並ぶ or 越える影響力。「国内」の自立性の低下。
-2)異質なものに対する「本能的/動物的」警戒と共存
 対立、抗争は自明ではなく、まずは避けられる
 * 止むを得ない共存:esp. 対自然、苦痛に対する同情 compassion
 贈与関係:積極的な友好関係の試み
-3)国民国家による統合と排除
 イ)民衆/住民の「国民」への囲い込み、資格付与
 * 近代の人為的/政治的産物でしかない国境、「国民」、パスポート、ヴィザ
 ロ)国内支配・統合のための排外:敵を作ることによって「内」の一体化を計る
 * 国内矛盾・危機の対外戦争による「克服」

2.グローバル化のアクター
「国際化」:国民国家(具体的には政府、有名人)単位の相互関係
国際機関:国連、IMF、WTO、ASEAN etc.
多国籍企業:
NGO:
個人:移民、難民;旅行者、観光客、留学生

3.地域・場所を越えて異同が目立つ事柄
-1)言語
-2)衣食住など物質的生活の基本
-3)宗教、礼儀作法などの主な生活規範

4.文化の相対性

-1)英語「世界共通語」問題
cf. 基軸通貨:信用性や取引可能性、換金可能性の高さ。
これを裏打ちする豊富な財貨が発行国にある。
自然言語である英語を「世界共通語」とすることは、英語を母語とする人たちの文化、英語を生み出した社会の文化を、世界の他の文化よりも優位に立たせることを共伴わざるをえない差別行為である。

-2)一元主義と多元主義
一元主義:単一価値による序列化、つまり差別化に帰着する。
多元主義:

-3)自国中心主義の閉鎖性・閉塞性

ー4)異質との出会い
を楽しむ

自分と違るものを知ることなしに、自己の特性を知ることはできない。
より多くの違うものを知ること(science)が、自分をより広く・深く知ることに繋がる。
自分の相対化なしに普遍的なものへの理解・洞察(conscience理性)はえられない。

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