2011年6月1日水曜日

<ゴミ問題>報告批評


[はじめに]

第2ステージの報告の目的は、教材で取上げる社会事象の全体について、市民にとって最低限必要な認識・理解、つまり<その全体像と今日の問題点>をつかみ、ことが課題です。
教材にする上での注意点>を見つけ出すことやは、当初は課題に加えていましたが、れは外しました(5月25日「報告の重点変更」)。ですから、小学校での授業に直接役に立つ内容を摘出することしたり、子どもたちとの接点を見つけることは課題ではありません。
報告は、あくまでも今後に授業をすることになる筈の未来の教師である君たちの自身が、市民として最低限必要となる認識・理解を得ること目的としなさい。

取上げる社会事象の<全体像と今日の問題点については、5月14日「第2ステージの報告課題」のうち、1.の指示を、また資料文献など情報を得る上での注意点は3.の指示を踏まえなさい。

【報告内容に対する批評】

1.<ゴミ問題の歴史>を取上げたのは適切。
しかし、ゴミ問題は昔から今まで歴史貫通的にあるとしても、古代の問題と現代のそれが同じとはいえない。単なるゴミの量の増大なのか(としたらその段階区分?)、それとも発生や処理のあり方、影響の違いなど、いわば質的に異なる段階・時期区分があるのかを見る必要がある。それぞれの歴史社会におけるゴミ問題の意味を掴む必要があるからだ。

2.<産業廃棄物と一般廃棄物>
この2つに分けてゴミを捉えたのは適切。大きくいうと、自然への働きかけから人間に有用とされるものを生産する過程(いわゆる産業)で生じるゴミと、そして生み出されたものを消費する過程で生じるゴミとを区別することは、両者が別物であっても繋がっている現代のゴミ問題の全体像を把握するうえで必要だからだ。
違いに注目することも欠かせない。両者の内容の違い、相互関係、社会的影響などに立ち入った把握があるともっと良かった。
法律上の扱いに依存してゴミの全体像や分類を掴もうとしたのは、ないよりはマシとはいうものの、逆立ちしたアプローチである。法律は、あくまでも時々の社会環境の中で政治的に作られた人為的なものでしかなく、ゴミの実態を的確に反映したものになってるとは限らない。

3.ゴミの発生
どのように生まれるかに注目したのは良かった。しかし、その原因やメカニズムに立ち入った検討がなかったのはまずかった。

4.ゴミの社会的影響
環境汚染、最終処理の困難など具体的に指摘したのは良かった。特に、使用済み核燃料など有害物質の最終処分について未解決な問題があることの指摘は重要。
問題例をもう少し整理したり、地域や国境を越えたゴミ移転(押しつけ構造)に視野が及んでいたら良かった。

5.リサイクル問題
その意義や処理方法、コストについて多角的に検討したのは良かった。と同時に、つまるところリサイクルで問題が解決するのか、突き詰めた検討が欲しかった。Reduce、Reuseについても同様。また、3Rの相互関係も掴みたい。

【報告形式の批評】

配布した印刷物が枚数制限を無視していたり、要約ならぬ報告原稿であった問題については、既に5月30日「発表用プリントは要約」で記した。

【総評】

最初の報告にしては、形式面での難点だらけではあったものの、各班それぞれなりにポイントをしぼり努力した跡が伺われた。上記の「内容に対する批評」と5月19日講義メモを参考にし、報告改訂版を作って欲しい。

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