2010年6月30日水曜日

授業案「マスコミ」批評*美術


<ダリ>班

地産地消班

良い点
・社会科見学を取り入れたり、新聞を作ったりと実践的な活動が多く、実体験として学習することが出来る。
・子ども達の普段の生活の様子を考慮している単元作りであると思う。

指摘・改善点
・新聞社に行く前の事前学習がないので、目的やねらいが子ども達に備わらないままになってしまい、折角の貴重な機会を有効に活用できないと思う。
・授業案の設計について内容を盛り込み過ぎている。授業案で言うと、7時限目でまとめてインターネットの部分は切り離すべきだと思う。
・インターネットで調べる行程で、新聞が基礎になっているが、インターネットのサイトに掲載されるニュースの情報源は新聞であることが多い。そこに気付かせる訳でないのだったらその作業は適切であるかわからない。インターネットの方が詳しい情報が多いという前提にに大きな疑問を抱いた。
・メリットデメリットを知る、とあるにもかかわらず理解する機会が設けられていない(例:インターネットを扱う際のモラルは知っているものと前提とする等)
・インターネットの信憑性や安全・マナーを狙いとして取り上げるのは社会科ではふさわしくないと考える。
・授業案の学習内容がどれも1時間で構成されており、時間が足りないと思う。

ムンク班

良い点
・自分たち(教師)が問題視しているマスコミの問題を子ども達と共に考えられるような、共感性の高い狙いを持っている。

指摘・改善点
・情報の量だけでなく、質にも注目すべきである。
・インターネットを使う上で、情報を鵜呑みにしてかもしれない、と問題点を挙げているにも関わらずそれに対して授業の中で触れていない。
・授業案の中でのまとめにおける作業のねらいと、教員の留意点が対応していない。
・導入が効果的でないと思う。講義で話す内容は、教科書的になってしまう可能性が高い。それならば情報に振り回されることの危険性を挙げているので、子ども達に同一テーマの対極にあるような情報を与えて、実際に情報に振り回される体験をしてもらうなどしてもらう方が実感できて問題を重要視できると思う。
・最近あった大きなニュースを子どもたちに選ばせるよりも、例えば「このニュースとこのニュースは同じ事件を報道しているのだけど」というように制限した上で、子ども達に考えさせる方が、判りやすいと思う。又、これに限らず、表現が抽象的な部分が多く見られる。

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横尾班

ムンク班
・各マスコミの報道の違いについて研究するという発想はおもしろい。あと、何をやりたいのかがはっきりしていてよい。
・しかし、子どもにとっては「マスコミとは何か、日本における現代のマスコミの現状を知ってもらう」だけで精一杯だと思う。小学生高学年対象の授業かと思われるが、その年代ではテレビ欄や4コマ漫画しか興味がないであろう。記事を読むことすら難しいと思う。
・単元の目標では「子ども達がマスコミとどれほど深く関わって生活しているか、自覚してもらい、」とあるが、授業案の中ではそのことについて触れていない。
・この授業案の中には「インターネットが信憑性が低いことを生徒に教える」ということが入っていなく、生徒はそのまま知らないでいてしまう。そうすると、(2)小単元でとりあげる教材と子どもたちとの関係の内容に合わないと思う。


地産地消班
・授業案に訂正が多いのが少し気になったが全体的に良くできている授業案だと思った。
・目標に「プライバシーの保護などのモラルやマナーを身につける」と示しているが、授業内ではあまり触れていない。
・個人的な思想の違いだと思うが、新聞で得られなかった情報が、果たしてインターネットで得られるのかという疑問がある。特に、モラル、マナーという点では、インターネット内にある情報より、新聞の方がしっかりしているのではないだろうか。
・発展で示している「情報の選択」が、指導案に組み込まれていない。特に、新聞社に行くだけでは「情報の選択」というものは、児童たちが聞きたいと思わないと出てこないのではないだろうか。
・インタビュー内容については、事前に予想される児童たちの発言を書き込んでおくと、なお分かりやすかったと思う。そして、児童たちがすべてのインタビュー内容を考えるのか、教師たちが既にいくつかの質問を考えておき、児童から、その内容をうまく引き出させたり、教師が提示するのかが、明記されていない。

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吉岡班

<地産地消班>

●単元目標が適切。

 プライバシーの保護やモラルやマナー、普段子ども達が疎遠になっているであろう新聞を取り上げるなど、子ども達の状況をよく考えた単元目標となっている。

●しかし、授業で活かされていない。

 授業の全体の流れとして、新聞の作り方や、情報の調べ方の授業のように思える。単元目標で取り上げられている肝心のプライバシーの保護やモラル、マナーはどこでどのように学ぶのだろうか。単元と授業案にズレが生じているように感じた。

 また、授業のはじめに情報に対するメリット、デメリットを考えるとあるが、座学形式にしてどのようにして教えるのか、答えを引き出して行くのか、教師の留意点、評価等に対してあまりにも大雑把であり、イメージがわかない。そもそも、児童を取り巻く情報とは一体何なのか、どういったものなのかを整理するだけでもある程度のマスコミに関する理解に繋がるのではないだろうか。単元の最初は、情報の発信源からではなく、児童を取り巻く情報からのマスメディアというような取り扱いの仕方が良いのではないかと考える。


<ムンク班>

●単元においての社会事象の問題の要点、単元のねらい、構成や計画が適切。

 まず子ども達にインターネット上の情報が本当に正確なものなのか、そこに気付かせ、正しいマスコミとの関わり方についてしっかりとした授業案が考察されており、非常に素晴らしと感じた。ただ後でも述べるが、視点がインターネットから新聞だけに移行してしまったことが残念であるが、その授業の構成の、1つのニュースに対して、複数のマスコミから情報を集めるというのは、情報の真偽を問う掴みとして大変興味深いと感じた。

●しかし、単元と小単元と授業案、それぞれにつながりが足りず、活かされていない。

 単元でインターネットや報道の信憑性を取り上げているにも関わらず、授業では新聞社(マスコミ)が情報を飛躍して発信しているということのみに重点をおいているように思えた。信憑性を学ぶのであれば、情報が無責任に飛躍しやすいインターネットと公共の情報である新聞の比較も必要に思う。その上で新聞社の中にも、商業的理由から情報を歪めてしまっているといった知識も教えるべきと思う。


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<ロラン>班

地産地消班に対する批評

積極的に評価できる点

全体的に見て、新聞社の見学、インターネットの活用体験など、知識を与えるというよりは、経験を積ませる形での授業となっており、子供に問題との関わり、興味を持ってもらうために有効な形になっていると感じた。また、意見を話す姿勢と合わせて聞く姿勢も評価の基準に取り入れられており、これから子供たちが意見を交換しながら自分の考えを深めてゆくことのできる学習をするための基礎づくりが意識されていると感じた。また、インターネットの体験学習に関して、子供が適切なサイトを利用しているかを確認しているが、「インターネットを知る」という目的としては、(適切とされるサイトが必ず使えるものとは限らないが)子供に活用のきっかけを与え、子供から社会問題にアプローチする強力なアイテムとなると感じた。

消極的な評価の点(疑問に感じた点など)

この授業案では、新聞社への見学が比較的最初の方に入っており、子供たちの印象として、新聞社を、信用しきった方向からしかみることが出来なくなってしまう可能性があると感じた、もちろん授業後半にあるインターネットを利用した体験学習があるが、新聞社社員が新聞の良い面しか伝えようとしないであろうことを考えると、むしろインターネットで新聞について調べたり、ムンク班のように、各社の新聞での報じられ方が大きく違っているようなことを体験してもらい、程よい不信感を持ってもらってから新聞社見学を行った方が、新聞を上手く利用できるような信用不信用のバランスをとることができるではないか、と考えた。

ムンク班に対する批評

積極的に評価できる点

授業の展開の方法が、あるニュース一つを、いくつかの会社の新聞を利用して調べるという仕方になっており、現実として存在するブラックな問題(新聞会社によって報道のされ方、印象が大きく違う事など)を、調べ学習を通して子供に直接突きつけることの出来る形になっていて、巧みな展開の調べ学習だと感じた。また、調べ学習の前にマスコミに関する予備知識を与えているので、調べ学習のスムーズな展開につながると感じた。

消極的な評価の点(疑問に感じた点)

主な目的がマスコミの情報に振り回されすぎる事の危険性を伝える授業となっており、その目標は達成されているように感じられたが、この授業の後、極端にマスコミに対する不信感を抱いたり、新聞を読まないと言い張る子供が出てきてしまうのではないか、と考えた。基本的な展開の仕方は巧みで良いものと感じるので、教師によるマスコミに対するフォローも交えながら、上手くマスメディアを利用出来るような考えを育てられたらよいと考える。

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