2011年5月11日水曜日

4月28日 講義メモ


(続き)
3.次の社会の新しい担い手形成

3−1)個人の人生で、個人の努力だけで実現できるものは限られている。
   eg. 就職:「実力」の有無にかかわらず、雇用動向によって左右される。
    結婚:イケメンでも稼ぎ、カネがなくては。
    受験:学力なくてもカネあれば、、、
    賃金や労働時間:悪くされたくなかったら?
    病気や障害:根性で直せるか?
    年金:減らされたくなかったら制度を変えるしかない。
3−2)人々との繋がりの中にある個人

 かけがえのない個人:後にも先にも自分・君は一人だけ
 生前の制約:単に生物的制約だけでなく、生まれた時代、地域、家族など
 生きている間の制約:自己努力、自己責任だけで人間らしい生活ができる人は例外的存在;物質的依存関係(経済)、精神的関係、生物的身体的関係など
 死後との係わり:「何のために生きるのか?自分の人生の意味はどこにあるのか?」
  多かれ少なかれ、後の世代との関係からの制約

3−3)個人の努力や意志の彼方にあるような社会関係の力
個人(VIPでも)が左右することができる社会事象の範囲は限られている。
   eg. 景気・不景気の「波」
「前からあった」自然の光景を同様に説明される法律、政治制度
「歴史の流れ」の結果(だから免れないもの)と説明される現在の事象

 cf. 人々の意識は、根拠のない幻想・錯覚であっても現実を作り出せる:トレペ品不足騒ぎ

3−4)人々の集合的行為の結果としての社会関係、社会制度

3−5)公共というもの: public と オホヤケ(大宅)
    public 語源はラテン語の publicus:pubes(adult)に由来する、
また、 poplicus, populus : people とも
「民衆のもの、総ての者に開かれたもの、民衆の共通のもの」といった意味
「公」は、本来はオホヤケ(大宅、大家)の意で、ヲヤケ(小宅)に対し、天皇、権力者などを指した。
幕末維新期に public に漢字を当てた際に用いたのがこの「公」

 * 多くの人々にとって(共通に)必要であって、かつ個人ではまかなえず、それには共同の営みによる必要がある事柄。
 いわゆる目に見える公共施設だけでなく、日常生活のルールから国家や世界の制度やその運用の仕方など、目に見えない、しかし共通に必要な事柄。

3−6)公共の事柄の担い手:<市民>

 単なる私益の追求者ではなく、公共の事柄に、他の人々と共に携わる
(自立した)個人。

 * 「公民」という言葉のまやかし性
古代の公民は、土地が公地と呼ばれたように、オホヤケ(天皇)の所有物であった。
日本近現代で民衆は臣民(天皇の臣下)と呼ばれた。
  
4.将来世代にとって「次の社会」は、「日本」/日本列島に存在する社会だけか?

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