2010年8月5日木曜日

「マスコミ」授業案導入部批評*理科

T2ファージ

◎ミカヅキモ班への批評
『テレビ報道は経済目的が含まれている』ということを伝えるための導入案であったが、“CM”と“テレビ報道”の扱いを一緒にしてしまうのは問題があるように感じる。なぜなら、CMはそもそも経済目的として作られたものであり、テレビ報道は経済目的が主ではないと思うからである。子どもたちに最も身近なマスコミとして、一番初めにCMに目を向けたのはよい視点であると思うが、先ほども述べたようにCMはマスコミの中では特殊な存在であるので、ここからマスコミについての授業を展開していくのは困難である気がする。そのため、マスコミについての授業に入る前に宿題でワークシートに記述させ、CMについて触れるのは1時間に抑えるべきではないかと思う。また、この班の授業計画だと子供たちはCMとテレ
ビ報道を一緒のものとして捉える可能性があると思うので、其の違いについての説明も行なうべきであるように感じる。
さらに、『経済目的があるから情報操作が行なわれている危険性がある』ということに気づかせることが単元の目標となっているが、これだとインターネットは危険性がないということになってしまうのではないかと思う。確かに経済目的と情報操作の危険性は関連があると考えられるが、それがすべてではないので、単元の目標としては不適切であるだろう。

◎プリズム班への批評
全体的を通して、この授業案は子どもたちが楽しく参加できるということを念頭に置いて作成されたのではないかということが伺える。これは導入部分として非常に大切なことでありよいと思う。しかし一方で、この導入を行なうことによってねらいである内発的問いの「マスコミの役割とはなんだろうという疑問を抱かせること」が可能であるのか少し疑問に思う。たしかに、CMやニュースを注意して見るようにはなるだろうが、目にとまる回数や内容の面白さだけでCM・ニュースの役割を判断させるのは誤解をも招く可能性があると考える。
ここでCMやニュースを取り扱う授業案として、たとえば子どもにも身近なお菓子について,そのとき頻繁に目にするCMの商品と、そうでない商品の写真を見せ、その商品を知っている人数や買ったことがある人数・おいしそうだと思う方といったことを聞き、CMによって自分たちも影響されているということを体感させるというものも面白いように思う。この方法であれば、子どもたち自身に「他にもマスコミによってだまされていることがあるのかもしれない」と思わせることができるのではないだろうか。

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〈ミカヅキモ班〉
まず、マスコミによる報道の選択の必要性について、CMを入り口として、そこから経済目的の経済報道に展開している点について、CMは児童にとっても身近な内容で導入としてはとてもよいと思う。単元の目標が、「マスコミの報道には経済操作があることを知り、情報の取捨選択の必要性に気づく」である。だが、そもそもなぜ取捨選択しなくてはならないのかは、テレビ報道自体、生放送を除いて編集されているという加工のしやすさから起因するものであると考える。なので、まとめを「テレビ局は番組の多くを興味は番組の多くの内容を多くの人が興味を持つように工夫(操作)している」だけでなく、テレビ放送は加工・編集されているものがほとんどであるという、もっとテレビ報道の本質に迫った内容にも言及しているとよりよ
い授業案になると思われる。また、テレビをつくるためには資金が必要であり、番組制作の目的が、よいテレビ番組をつくるのではなく、資金を得るためのテレビ番組をつくるということに陥りやすいことにも触れることができれば尚更よいと思う。


<プリズム班の発表に対して>

マスコミを取り上げる上で、児童に取り組みやすくなるために、導入でCMからはいるという工夫が今までの第一、第二ステージで発表をおこなったグループになかった発想でよかったと思う。さらに、教師が一方的に授業をするのではなく、児童からマスコミについてひきだし、CMをみて調べさせて、それを班ごとに話あい、まとめ発表させるという、児童中心の授業を展開していてよいと思う。ただ、テレビを中心に考えていこうとすると、どうしても決まった時間に見なければならないので、時間的制限がなかったり保存したりすることがたやすい新聞を中心にかんがえていくのもよいと思う。そうすることで新聞の一部を切って紙などに貼ってこさせるなどすると、宿題をちゃんとやってきているかもわかるし、自分が調べた事ではな
い、ともだちが調べたニュースについても文章があるのでよむことができ、広がりをもつことができると思う。
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<ミジンコ班>

ミカヅキモ班
最も身近にあるマスコミはテレビであり、その導入としてCMを取り上げるのはとてもよいと思う。授業計画がとてもよくできていて感心した。まず、児童が考えるであろうことがよくあげられていると思う。教師の支援に関しても具体的に示してあってよい。
気になる点としては、宿題についてである。ワークシートはとてもよくできていると思うが、テレビに30分以上は集中していなければならないということになる。CM中も気が抜けず、児童の目の健康が心配である。しかし、見る番組の1つはニュースにするという指定をしている点はとてもよいと思う。おそらく、このように指定されなければアニメばっかりになってしまうだろう。いろんな番組を比べたほうがいいと思うので、児童が見る番組がかぶらないように、教師が働きかけるとよいと思う。
最後の展開とまとめに関しては、もう少し内容を濃くしてもよかったのではないかと思う。特に、まとめに書いてある事は、単元の目標を少し変えただけになってしまっている点が気になる。授業計画のクオリティが高いだけに、最後が気になってしまう。

プリズム班
導入について良く考察されており、それがそのあとの授業計画にも反映されていると思う。まず1時間目において、教師が「マスコミとはテレビ・新聞・CM・インターネットです。」と児童に教えることでマスコミが身近であるということに気づくだろう。その週の宿題としてCMを調べてくるというのはミカヅキモ班と同じであった。2時間目ではその宿題を取り上げ、班ごとにまとめるというのは知識の共有になり良いと思う。宿題としてお父さん・お母さんが気になるニュースを聞いてくるということだが、2時間目でニュースについて触れていないので突然すぎるように感じる。宿題の内容に関しては、保護者の協力を得るということなので家族の会話ができて、保護者も学校での様子が少しは見られると思う。3時間目ではその宿題
について取り上げるとしていて、2時間目と同様、少しまとめる程度にしておき、展開について考えられている。展開の授業のポイントとしてまず導入で扱ったCM・ニュースについて述べられていて、発展として同じニュースの取り扱い方を比較するというのは面白いと思った。
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<ピペット班>

第3ステージのマスコミの発表について、まずミカヅキモ班はマスコミの導入として子どもたちに1番近いと思われるテレビを取り上げている点がとても良いと思った。テレビの中でも導入部分としてコマーシャルを調べてくるという宿題を出し、それをもとに授業中にグループで話し合い、コマーシャルから子どもたちに興味・関心を持たせ、コマーシャルを流している会社がその時間帯の番組の提供会社と一緒ということを知るなど、テレビが無料で見ることのできるしくみがわかるようになっていく導入の授業内容であり、良いと思った。しかし、導入の3時間目では、今までコマーシャルについて授業を行ってきたにもかかわらず、いきなりニュースの報道は視聴者の興味を引くために大げさに報道していることを気付かせるという内
容になっていて、内容がかなり飛躍していると感じた。宿題でコマーシャルを調べる際にニュース番組中のコマーシャルも調べるという条件を出していたが、そこからもその大げさなニュース報道になっているということは見えてこないと思うので、番組ごとのコマーシャルの違いを考えさせることのみを導入部分に取り入れたらいいのではないかと思った。

プリズム班もマスコミの授業の導入部分もテレビを取り上げていた。この指導案で気になったのは、導入の2時間目に生徒に出す宿題内容が「お母さんやお父さんが最近気になるニュースを1つ聞いてみよう」とあったが、せっかく宿題で出しているのに生徒自身ではなく、その生徒の両親が関心を持っているニュースを聞いてくるのではもったいないと思った。この授業を機会に生徒たち自身が興味を持ったニュースを調べてこさせたほうがいいのではないかと思った。またこの宿題でマスコミに慣れてきたところで少し難しいニュースを保護者の協力を得て取り上げるとあるが、やはりその前に簡単なニュースであっても生徒自身に興味を持たせることが大切であると思った。

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