2010年5月26日水曜日

第1ステージ 第1テーマ【ゴミ問題 】ペクチン班報告・改訂版

社会科指導法A 第一ステージ報告 【ゴミ問題 】 改訂版

2010/5/6 ペクチン班

取り上げる対象の全体像 ~教師向け~(問題含む)

定義 ・人間が生活するのに必ず,食べ物なり着るものなり,その他生活に欠かせない道具なり

  何かしらモノを使用する。そしてモノは永久ではなくいつかはさびれてしまう。

  使うことのできない,用途のないものを我々は「ゴミ」と呼ぶ。

・ここ100年で,科学技術力が上がり様々な製品を作ることができるようになった。

また人口も格段に増え,大量生産,大量消費,大量廃棄が当たり前になった。

問題点・すると,大まかに3つの問題点が発生する。

①製品の原料が足りなくなる。枯渇。

②大量の一般,産業廃棄物ゆえにくる,処分,処理費の増加

→不法投棄, ゴミの不適切処理 (有害物質の流出)

→環境破壊、公害問題ex豊島問題,フロン処理,干潟喪失,ダイオキシン→小学校の使われなくなった焼却炉)

→上記のマイナスイメージからくる新処分所建設の反対運動

③ゴミを処理するが場所が少なくなることゆえの、ゴミ処理場の収容量越え、新たな処分場の用地確保の難化         

 対策 ・これらの問題の対策として,大きく3つが挙げられる。

      Ⅰ;市町村による(資源)ゴミの分別収集,集団回収,焼却熱の利用

(→再資源化時の製造エネルギー減につながる)

      Ⅱ;法律の制定

●各種リサイクル法の制定→処理責任者の明確化・分担 (=処理すべき人を明記)

(製品(ゴミ)の所有者・関連事業者・製品メーカーが決められた役割と順序で適正に処理し,再利用し,トータルでのゴミを減らす目的で作られた。)

          EX)容器包装リサイクル法】

消費者;廃棄物を抑制し,分別収集,排出に協力する。

市町村;分別収集,保管する。必要に応じ,選別,圧縮,梱包してリサイクルしやすい状態にする。

           事業者;事業において容器包装の排出抑制を行うとともに,市町村が分別収集した容器包装廃棄物を自ら,または国が指定した事業者に委託して再商品化する義務を負う。

            ※費用がかかってしまうことがあり,必ずしも長所だということはない

  ●循環型社会形成推進基本法

          循環型社会形成を推進していくうえでの基本理念と、政府が循環型社会形成に取り組むプログ

ラムを規定した法律

・物質循環の確保、天然資源消費抑制、環境負荷低減

・拡大生産者責任…資源調達、製品化からの使用、廃棄までに関わるリサイクルや処理に対し、生産者が責任を負う。→家電,自動車リサイクル法など

            ・処分の優先順位;1位―「発生抑制」(≒そもそも何も買わなければゴミは出ない)「再使用」     「再生利用」「熱回収」「適正処分」―5

      Ⅲ;自治体,民間市民団体のリサイクル,ゴミゼロ運動等の促進(→一般人のモラルの向上)

          エコマーク、グリーンマークの認定  フリマ  グリーンコンシューマー10原則

            世界条約(「持続可能な開発」、バーゼル条約など) マイバック 3R運動

 総括 ・以上のゴミにまつわる事柄を(視覚的に)簡潔に表すと以下の様になるのではないか。

図 (「経済合理性・経済効率性の追求」と「環境合理性・環境効率性の追求」におけるゴミの発生,処理のメカニズムの概要)


   すると,やや極端な論だが,ゴミ問題のそもそもの最も単純な根本的解決策は,ごみ,つまり市場の

すべての製品が市民生活(すべての経済活動)の循環経路において発生しなければよいのではない

か。(=発生抑制)ということは発生抑制を議論の中心持ってきて,そこから,再利用再生産のしくみ,製造エネルギー減の方法,自治体の対応,法律の存在というように順に段階をおって,少しずつ幅を広げ全体をとらえるのが有効な問題解決の手順だと考える。

子供たちとの関わり ~授業展開~

小学校中学年といえば,高学年や中学生ほど物事を論理的に考えるのは容易くなく,絵や実物を用い

,抽象的,感覚的な想像をするのが得意で,時系列的な考えでも「今より前」(すでに起きた事実)

のことを振り返って考えるよりも,「今より後」(≒これから。自身の予想の世界)のことを想像す

るほうが興味、関心が高まるのではないかと考える。

すると「ゴミ」に対しても,なぜゴミになったのか(ゴミになる前の過程)よりも,このゴミがどう

なるのか(ゴミになった後の処遇)のほうが子供たちにはつかみかかりやすいと考える。

ゆえに,ゴミ問題の授業を展開する際に、導入として「ゴミのこれから」のことを想像,予想させて,

「ゴミの行方」についていくぶんか関心を持たせてから,「ゴミの成り立ち」(何でゴミが生まれる

のか)にシフトする。という流れのほうがきっと興味から来る関心をぐっと引き出せるだろうと

考察する。さらに,ゴミが生まれ変わった(リサイクルされた結果)後の身近な実物の製品を手にとって見られるとなお良い。 EX)石鹸,,ろうそく,リメイクされた布製品など

留意点 その際に題材とする内容は,子供たちのイメージがしやすいように,教室のゴミ,給食の残り, 地域の活動を中心とし,できれば教科書の例の様な子供自身の生活圏内と遠いものは避けたい。

ゴミの発生抑制がそもそものゴミ問題の根本的解決策である。ゴミの「卵」(=市販されてるすべての製品、食べ物)をいかに減らすか工夫することに重きを置くのが,この授業の本質である。結論点が,再利用,リサイクル止まりにならないようにすることに注意。

参考図書;名取先生のおもしろゴミ授業 名取弘文 ポプラ社 1992,9    早わかり!ゴミ処理のしくみ 平岡正勝 集英社 1997,9

ゴミくん、こんにちは! 石沢清史 偕成社 1985,6       ゴミとリサイクル2005 千葉県環境研究センター 平成17,3

参考;家庭経営学Ⅰ資料プリント+ノート   図は環境庁編,平成12年度環境白書総説より改

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