2010年7月6日火曜日

追いかける社会事象


次回の授業では、各自が今後、関心をもって追いかける社会事象を三つあげ、その理由を簡単にGCに記してもらいます。

<趣旨説明>

この授業の初めで確認したように、現行学習指導要領の「社会科」が取上げる社会事象の領域は実に広範囲です。しかも、その殆どは社会全体の歴史的変容のなかで、大きくその姿を変えつつあり、またこの変化は地球規模で加速しています。

小学校の教員は主要5教科を担当します。その中で「社会科」で扱う総ての領域を一個人が独りでカバーすることは、実際には極めて難しい。そこで考えられる方策は、自分(教員)自身が興味関心をもつ社会事象を追いかけて行き、その問題については<詳しくなってしまう>ことです。言い換えると、第1ステージでやったくらいの勉強をし続けることです。

もちろん、この授業が終われば、第1ステージでの勉強と同様の密度で、今後もずっと勉強し続けるということはできません。しかし、定期的にその社会事象についての本や、その社会問題についての報道に定期的に目配りしていくことはできないことではありません。たとえば、毎週末に新聞をざっとめくり直して関係する記事があったら切り抜いて段ボール箱とか大きな袋に入れておくこと。あるいは、月に一度くらいは図書館や大きな本屋の関係するコーナーを覗いてみることです。

そして、(A)新聞記事の場合は、1)月に一度くらいきり抜きに目を通し、不要なものは捨てて、残ったものだけA4版の入る袋にでも入れ、袋の右上に自分なりの見出しを大きく書いておく、2)この1)を繰り返しながら、3ヶ月ごと袋の中身を更に整理してしまう。3)こんなことを1年も続けていれば、その社会事象/問題についての相当の知識が蓄えられ、自ずから自分の意見や問題関心も明確になって行きます。
また、(B)本の場合は、1)新書本あたりから初め、面白そうな本のリスト、メモをとっておき、2)半年に一冊程度は、必ず社会事象についての本を読むこと、3)これを数年続ければ、自分の問題関心がはっきりしてくるだけでなく、その社会問題については、どんな本が基本的なもので、どんな人の仕事が注目すべきものか等が分かってきます。4)そして、新書本レベルをこえて少し深く検討している著作も読めるようになります。

まずは、いま各自が関心をもっている社会事象/社会問題を三つくらい挙げてみて、これを学生の間は、上記のやり方を参考に追いかけてみる。このことは、社会科教育講座以外の学生でも小学校教員になる上では、指導要領や教科書に振り回されず、教師集団の一員として主体的によりよい授業を作って行くために必要な<教師術>です。この術に慣れ親しむための第一歩として、最初に書いた課題を出す予定です。

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