<アンモニア臭>
・学年が上がっていくに連れて、暗記要素が増えていってしまっているため実用性という観点で社会科の有用性が疑われる。特に第6学年では顕著である。この点に関しては前回の課題においても明白になったため、社会科指導要領の大きな問題点であると考えられる。
・例として一部の歴史上人物やその周辺について学習するように指導するようにと書いてあるが、実際の指導現場ではその人物名や年代、出来事などを暗記するように指導されているため、この指導要領の本来の意義とはずれてしまっている。
・内容が広範に渡りすぎてしまい、生徒の学習意欲を削ぐ形になってしまっているという懸念がある。各学年において細部まで指導説明があることは良い点だが、現実的にそれらを指導していくとして、国語や算数といった主要科目に比べて時間数が少ないこともあり全てを教えるということは難しいのではないだろうか。
・全体的に内容が漠然としている。~などという表現が多いため、非常に曖昧な内容になってしまっている。同時に~しなければならないと記述せず、~するようにするという弱い指針を掲げてしまっている。
・社会科の目標として礼儀正しい社会人として行動するように導くことが挙げられているが、現在の教育現場でそのような教育が行われているとは少々考えづらい。社会科は教科科目であるため知識を点数化する必要があるが、それに囚われすぎていて結局暗記科目となってしまい社会性を身に付けられる科目になっているかどうかというと甚だ疑問である。
・社会科改正の趣旨に「グローバル化が進む時代にある今こそ,世界や日本に関する基礎的教養を培い,国際社会に主体的に生き,公共的な事柄に自ら参画していく資質や能力を育成する」とあるが、国際社会を主体的に生きるために必要なことは社会科の学習よりも、まずは国際社会とは何かを理解しなければならないと思われる。そして国際社会を代表するような仕事はどのようなスキルが必要なのかを把握しなければ、社会科改正の趣旨にそって生徒は学習意欲をだせないと考えられる。
教員の裁量範囲の適切性については、学習指導要領の内容の取扱いで事細かとやる内容が決まっている。なので、教員の裁量範囲はせまいといえる。それでも、第3学年及び第4学年でやる内容は、身近な地域についての内容が多いので地域毎に授業内容を考えることができる。しかしながら、内容(1)アの主な交通の様子などでは、離島などのバス、電車等の公共交通機関のない場所では取り上げる内容に困ってしまうのではないかと思う。またこのような部分で都市部とそれ以外で内容に差が出てしまうと思う。
特定の(政治的)立場にとって都合の良い価値観を注入するものになっている部分はないか?については、学習指導料領の中で、国旗や国歌を尊重する態度を育てる、と書かれているカ所が数ヶ所あるがそれは戦前の天皇制の思想の名残であるとしか思えない。愛国心についての最終的な問題は自国を愛せるかどうかなので、国旗や国歌を尊重する態度を育てるだけでなく、日本や他国を尊重する態度を育てるというのを付け足したほうがいい。また、第6学年の歴史で日華事変,我が国にかかわる第二次世界大戦,日本国憲法の制定,オリンピックの開催などについては「取り上げる歴史的事象を精選するとともに,その指導に当たっては,児童の発達段階を考慮し社会的背景にいたずらに深入りしないよう配慮すること」と書かれていてよい。
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