2010年4月22日木曜日

第1ステージの報告について


1.第一ステージでは、教材に取上げる社会事象について<問題の概要と要点をつかみ、子どもたちの生活経験との関わりを見つけ出す>ことが課題です。

各班の報告は、
1)取上げる対象の全体像
2)何が問題になっているか
3)子どもたちの生活経験との関わり
について、報告する君たち自身の問題関心を自覚しながら作成すること。

1)対象の全体像とは、その社会事象を大まかに認識するときに落とすことのできない事柄、事象の特徴、注目されている他の社会事象との関係などです。例えば、ゴミ問題なら、産廃から生活ゴミを含む廃棄物の現状、その発生原因、処理・リサイクルの現状、派生している社会問題。

2)「問題になっている」とは、それが解決・克服されるべきものとなっていることを意味します。例えば、リサイクルによっても解消しない増える一方のゴミをどうするか。リサイクルの費用負担は、生産者・販売者・消費者の誰が負担すべきか、といった問題です。

3)子どもたちには、自分が経験していない事柄、現実の生活の中で感覚できないことを認識することは、その発達段階によってはなかなか難しいことです。生活経験との関わりがある事柄から学習は始まります。

つまり、既に知っていること、子どもたちに出来る注意や工夫によって、新たに気づいたり知ったりすることが出来る事柄が、取上げる社会事象のどこにあるかを見つけ出すことが決定的に重要です。

2.報告を準備する上では、まずは書籍を使うことに慣れる必要があります。埼玉大図書館だけでなく、さいたま市立図書館(北浦和図書館、浦和駅ビル内?の図書館、桜区図書館)なども公立図書館、そして大きな本屋をチェックすること。

時間の制約から新書、ブックレット(岩波書店、かもがわ書房など)からまとまりの良いものを探すのが良いでしょう。例えば、八太昭道「ごみから地球を考える」2006年は、ジュニア新書ですが、なかなか使えるものです。
新書を探すには、「風」のサイトが便利です:

http://shinshomap.info/

Webを使う場合は、作成者が分かり、かつページ作成の意図が明記されているものから信頼に足るものを選ぶこと。官庁のサイトが多くの場合、時々の政府の意向によって変わるように、作成者の社会的信用性と内容の信頼度は一致するとは限りません。

例えば、本川裕さんがつくっている「社会実情データ図録」は、信頼性のあるサイトです:
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/index.html


3.第4テーマは、指導要領で「世界の中の日本の役割について,次のことを調査したり地図や資料などを活用したりして調べ,外国の人々と共に生きていくためには異なる文化や習慣を理解し合うことが大切であること,世界平和の大切さと我が国が世界において重要な役割を果たしていることを考えるようにする」とある部分から取上げます。我が国と経済や文化などの面でつながりが深い国の人々の生活の様子」「 我が国の国際交流や国際協力の様子及び平和な国際社会の実現に努力している国際連合の働き」など、対象は広範囲なので、担当する6つの班は、第1ステージ担当班を中心に、早急にどういう事柄を取上げるか相談して決めること。

指導要領は、「我が国とつながりが深い国から数か国を取り上げること。その際,それらの中から児童が一か国を選択して調べるよう配慮し,様々な外国の文化を具体的に理解できるようにする」、「国際交流についてはスポーツ,文化の中から;国際協力については教育,医学,農業などの分野で世界に貢献している事例の中から,それぞれ選択して取り上げ,国際社会における我が国の役割を具体的に考えるようにする」、「国際連合の働きについては,網羅的,抽象的な扱いにならないよう,ユニセフやユネスコの身近な活動を取り上げて具体的に調べるようにする」と、内容の取り扱いについてこと細かく記しています。これに厳格に従う必要はありません。しかし、こうした記述も参考にして第4テーマとして取上げる対象を速やかに決めること。

4.報告は、20〜25分。そこで用いる印刷物用の電子ファイルを、その週の火曜16時までにEメールで僕に送ること。A4版2枚まで(これを87%縮小してB4版1枚に印刷します)。印刷は受講者数分を僕が印刷します。印刷はカラーで行ないません。ファイルの送付が間に合わなかった場合は、各班の責任で95部を印刷し授業開始までに届けること。

① 当日は、2つの班が報告した後、全体で討論し、
② また授業終了後には他班から報告批評を提出してもらい、
③ 報告班は他班の批評を踏まえたまとめ報告を(原則として)1週間以内に提出することとします。

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