第3ステージについての指示に対する対応が適切になされなかったので、次回以降の授業日程を以下のように変えます。
2011年6月30日木曜日
日程などの変更
第3ステージについての指示に対する対応が適切になされなかったので、次回以降の授業日程を以下のように変えます。
小単元構想:水問題の例
<目標>
小単元:10~15時間の一連の授業
a)問いの立ち上げ(10〜25%)
b)「問い」に対する答えを見つける(55〜70%):
疑問「なぜ?」、仮説「**ではないか?」
検証:調べて確かめる
c)まとめ&次の問いへの繋げる(10〜20%)
2011年6月25日土曜日
第3ステージ報告の分担
第3ステージでは、小単元の設計の練習をします。
ここで扱う小単元は、第2ステージで取上げた社会事象の内から、第2ステージでの担当班が自主的に設定しなさい。
<日程と分担>
6月30日(ゴミ問題)再履2、ソーダ、ハーバー、肉じゃが、写実派
7月 7日(スーパー・コンビニ問題)再履3、レベル1、片栗粉、ロココ
7月14日(マスコミ問題)再履1、きゅびずむ、チロル、バロック
7月22日(補講)グンソク、セブン、コシヒカリ、印象派
なお、小単元は10~15時間の一連の授業とし、
a)問いの立ち上げ(全体の10〜25%が目安)
b)「問い」に対する答えを見つける:確かめる(55〜70%が目安)
c)まとめ&次の問いへの繋げ(10〜20%が目安)
で、構想すると良いでしょう。
2011年6月23日木曜日
6月16日・講義メモ
(小学校社会科で)何をどこまで?
1. 「社会科は何のためにあるか?」の問いに再び立ち返る:
(将来)社会の主体的担い手:市民にとって、当該の社会で共に生き社会問題に立ち向かって行く上で必要となる基礎的素養(C)
Cに繋がる社会事象(A)を取上げる
小学校:Aについて<自分たちの問題関心を立ち上げる>
高校(大学):C
大学(大学院):Cへの専門家として取り組む素養
3.第2ステージで取上げた社会事象の今日的意義
1) ゴミ問題:人間の生産活動の拡大に伴う、物質的生活と自然界との代謝関係の変質問題
3) マスコミ:情報伝達の仕組みが人々の社会的意識をそのあり方を再生産し、方向付ける問題
異文化理解問題とは何か?
0.「文化」とは?
culture < cultivare(耕す)の訳語
3つの意味
1)自分自身を耕す:人間形成の過程
2)その結果、達成したある精神的・物質的な活動様式や状態。「文化住宅」「文化生活」「文化遺産」
3)そのために用いられる手段:学問、藝術など。「文化の薫り」
cf. 中国語の「文化」:支配者による教化
広く、<生活のあり方>全般を示す
1.なぜ「異文化」理解が問題になるか?
-1)globalization
「国境」を越えた、モノ(カネを含む)、人、情報の移動、相互依存の高まり。
「国内」的関係と並ぶ or 越える影響力。「国内」の自立性の低下。
-2)異質なものに対する「本能的/動物的」警戒と共存
対立、抗争は自明ではなく、まずは避けられる
* 止むを得ない共存:esp. 対自然、苦痛に対する同情 compassion
贈与関係:積極的な友好関係の試み
-3)国民国家による統合と排除
イ)民衆/住民の「国民」への囲い込み、資格付与
* 近代の人為的/政治的産物でしかない国境、「国民」、パスポート、ヴィザ
ロ)国内支配・統合のための排外:敵を作ることによって「内」の一体化を計る
* 国内矛盾・危機の対外戦争による「克服」
2.グローバル化のアクター
「国際化」:国民国家(具体的には政府、有名人)単位の相互関係
国際機関:国連、IMF、WTO、ASEAN etc.
多国籍企業:
NGO:
個人:移民、難民;旅行者、観光客、留学生
3.地域・場所を越えて異同が目立つ事柄
-1)言語
-2)衣食住など物質的生活の基本
-3)宗教、礼儀作法などの主な生活規範
4.文化の相対性
-1)英語「世界共通語」問題
cf. 基軸通貨:信用性や取引可能性、換金可能性の高さ。
これを裏打ちする豊富な財貨が発行国にある。
一元主義:単一価値による序列化、つまり差別化に帰着する。
-3)自国中心主義の閉鎖性・閉塞性
ー4)異質との出会いを楽しむ
2011年6月13日月曜日
16日の課題と今後の日程
その1.6月16日の授業に向けての課題
次回と次々回は、第3ステージの作業に移る準備として、第2ステージで取上げた社会事象を教材にする上で踏まえなくてはならない諸点を予め検討しておくことをテーマとします。ここで検討するのは、特に次の3点です:
a.取上げる社会事象と現実の子どもたちの生活経験との関わり、接点。
子どもたちには、自分が経験していない事柄、現実の生活の中で感覚できないことを認識すること(ハ)は、その発達段階によってはなかなか難しいことです。生活経験との関わりがある事柄から学習は始まります。
つまり、イ)既に知っていること、ロ)自分たち自身でできる注意や工夫によって、新たに気づいたり知ったりすることができる事柄が、取上げる社会事象のどこにあるかを見つけ出すことが決定的に重要です。
このイ)ロ)から出発しながらも、教師には、(ハ)を促すための「出会い」や「仕掛け」を準備し、イ)を相対化させたり、ロ)を押し広げたりすることになる<働きかけ>を工夫することが求められます。
イ)の相対化、ロ)の拡張によって、どこまでのハ)を目指すのかは、次のbとの関係からも、それぞれの単元目標によって異なります。注意したいのは、より高次の問い(更に学びたいこと)に繋げることであって、道徳な態度獲得によって問いを閉じることは避けねばなりません。
b.この社会事象に関わる学習を、より高次の学習課題へ発展させる手がかり。
子どもたちも、つまるところは社会的に成長し、将来社会の担い手として、その時々の歴史社会の諸課題に向かい合わざるを得なくなります。そこでは、その諸課題に、市民として主体的に立ち向かっていく上で必要となる基礎的素養をどれだけもっているか否かが、その個人の生活だけでなく社会のありようを大きく規定するものとして問われることになります。小学校の各段階で取上げられる社会事象についてのそれぞれの学習についても、子どもたちが将来、自立した市民となっていくうえで求められるより高次の学習に、発展的に繋がるどのような可能性をもっているかが吟味されねばなりません。
c.時間的、物理的、制度的などの制約のある中で、実際に小単元(10~15時間)で教材化する上で取りうる切り口や使える素材など。
ここではbとは反対に、「これなら実際の授業にできる」点を考えてみます。これは実際に学校現場に出なくては分かりにくいことですが、敢えて学生ならではの創意工夫をしてみましょう。
* 16日は、上記のa(取上げた社会事象と子どもたちの生活経験との接点)をテーマとします。他のbとcは23日に取上げます。
各班は、同じ社会事象に取組んだ他班の報告も参考にしながら、aについて検討し、当日、口頭報告できるように準備しなさい。また、予め報告を提出したい班は、B5版1枚にまとめたものを、当日16日の10時までにB212ポストに提出しなさい。
その2.今後の日程
6月16日 第3ステージ準備(1)留意点aについて
23日 第3ステージ準備(2)留意点bcについて
30日 第3ステージ準備(1)<ゴミ問題>小単元構想
7月07日 第3ステージ準備(2)<スーパー/コンビニ>小単元構想
14日 第3ステージ準備(3)<マスコミ問題>小単元構想
なお、「異文化理解」については、7月22日(金)2時限(補講/任意参加)で行う予定です。
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【a.報告例】ここでは、<飲料水/水道>問題を例にとって報告メモを作ってみた:
イ)からロ)へ:
1)毎日、使っていることを確める:どんな時に使っているか?
* 各自の観察ノート、討論
2)必要性:無くなると困らないか?
* 断水の経験、地震被災地の人たちの声、大人からの聞取り
使用量:どのくらい使っているか?
* 計量と計算
一軒あたりの使用量、学校の使用量、人口@人の地域の使用量、
3)コスト
ペットボトルの代金との比較
配水:水道管敷設、ポンプ、タンク、維持管理
4)浄水場
取水はどこから? より上流での下水の河川への配水
* 地図での確認
井戸の生活
* 大人からの聴き取り、地域の地図作り
ハ)蛇口をひねれば水が出ること、水道料金がペットボトルより安いこと。その背景には水道施設があること。水道施設が役割を果すために必要な膨大な仕事が必要となること。
5)水道の配管先:生活用だけか? 産業用は?
* 農業用水
* 家庭以外で、たくさん水を使っている所は?
2011年6月9日木曜日
06.02.「マス・メディア」班報告
マスメディアの変遷とその比較
バロック班
1. マス・メディア(マスコミ)とは
大量生産された媒体を用いて、情報を一方的に大衆に伝達するという行為と機構の総称。
日本ではマス・メディアそのものをマスコミと呼ぶこともある。
一般的に「マスコミ」という場合は、私たちのような受け手である大衆よりも
送り手である新聞社や放送局、媒体そのものである新聞や放送を指すことが多い。
◎こういうものもメディア(例)
携帯電話/ダイレクトメール/映画/フリーペーパー/週刊誌
Web(最近では個人のブログや電子掲示板も)
2. メディアそれぞれの特徴
· テレビ
◦ メリット:全国放送1%=100万人、関東のみ1%=40万人もの人への影響力は大きい!視覚と音で訴えるのでリアル感も増す。
つけっぱなしでも自動的に入ってくる情報のおかげで、影響力はトップレベル
◦ デメリット:放送時間が限られているため伝える記事が少ない。
ニュース速報などの速報性は高いが、普段流れている情報は比較的遅い。
· ラジオ
◦ メリット:地域的なプロモーション戦略に特化できる。
通勤時間などに流しながら情報を得ることができる。
◦ デメリット:音だけで映像がないという点で影響力はテレビに劣る。
· 新聞
◦ メリット:斜め読みができる。比較的偏らない話題を入手できる。
◦ デメリット:情報がどうしても遅くなる。
近年はwebに押されつつある。紙の資源の問題。
· 雑誌
◦ メリット:ターゲットが絞れるため、伝えたい情報が簡単に到達できる。
◦ デメリット:スペースが限られている分、提供できる情報が少ない
部数も新聞などに比べれば圧倒的に少なく、影響力に関しては小さい。
· WEB
◦ メリット:長期間の掲載ができる。
世界的に閲覧可能。テレビのニュース速報並みの速報性。
◦ デメリット: WEB上だと少なくとも新聞よりは斜め読みができないため、偏りがちになる。検証可能性も低い。
3. 伝達する内容の「出発点」から「到達点」まで
· テレビ
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· 新聞
雑誌 |
4.今日のメディアの変化
· 若者の新聞離れ
◦ 「第5回情報化社会と青少年に関する意識調査」(内閣府・2007年)
以下の表は10~29歳の若者層に対する調査の結果である。
↑若者の新聞離れが目立つ。
平日1日の新聞を読む時間(年齢別)
参考:第2回(91年)の調査の結果
新聞を買わずに無料のウェブサイトで最新のニュースをチェックする。
これが新聞離れにつながっている最大の要因!
新聞社側の対応 … 『ネットに力を入れない』という選択肢はない。
しかし掲載するニュースの行政制限・特集はウェブにアップしないなどの歯止め
5.私たちがいま考えるべき問題点
² 情報を受け取る側のメディア・リテラシーをきちんと育てること
※メディア・リテラシーとは?
情報が信頼できるかどうか・その情報にはどのような偏りがあるか・その情報を発信した側にはどのような意図・目的があるか・なぜ、そのような情報を流したのか・なぜ、わざわざ、そのように編集したのか、を考えること。
² メディアとスポンサーや政府との癒着(例:福島原子力発電所の問題。東京電力から多額の資金をもらっているテレビ会社は、原発の危険性を伝えない)
² 商品化するメディア(売れる情報は流す、売れない情報は流さない→情報が届かない)
6.参考文献
佐藤卓己「現代メディア史」 1998年9月28日第一刷発行 発行:株式会社岩波書店
古賀純一郎「メディア激震」 2009年7月2日第一刷発行 発行:NTT出版株式会社
内閣府 第5回情報化社会と青少年に関する意識調査報告書 http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu.htm 最終アクセス日:2011年6月1日
下村健一「マスコミは何を伝えないか メディア社会の賢い生き方」
2010年9月22日第一刷発行 発行:岩波書店
柏倉康夫 佐藤卓巳 小室広佐子「日本のマスメディア」 2007年4月1日 第一刷発行 発行:放送大学教育振興会
藤竹暁「図説 日本のマスメディア」 2005年9月30日 第一刷発行 発行:日本放送出版協会
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きゅびずむ班
・マスメディアとは
新聞やテレビなどの情報伝達手段。
役割は不特定多数の人間に同時に情報を伝達する事。
・テレビ局の系列と新聞社
テレビ局の株式の実情
日本テレビジョンの例
テレビ朝日の例
-1-
テレビ東京の例
前に示したような例を「クロスオーナーシップ」という。同一資本が新聞とテレビを保有すると情報量や社会に対する影響力に問題が生じる。
・新聞とテレビの繋がりの問題点
情報元が同じになってしまうため、同じ内容が何度も流れてしまう点。
ニュースで新聞記事を放送する時に自分の会社とつながりが大きいところをひいきした内容になってしまう恐れがある点。
-2-
・記者クラブとは
取材活動の便宜と相互の親睦目的で結成されているクラブである。
・記者クラブの問題点
クラブ内で流される目的の取捨選択が行われてしまい、国民の知る権利となってしまう恐れがある点。
大手メディアが組織しているため、大手メディア以外のジャーナリストが参加し辛いという閉鎖感があるという点。
情報を提供する側と記者の間に癒着が生じる。
-3-
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一, インターネット広告の種類
(1) Web広告(ex. 各Webサイト)
(2) メール広告 (ex. メールマガジン)
(3) ストリーミング広告 (ex. 動画サイト)
(4) リスティング広告 (ex. Webの端等にリンクされている広告)
(5) モバイル広告 (ex. 携帯電話から情報を得る広告)
(横山, 2005, 20-22頁より抜粋)
二, インターネット広告の効果
(1) インプレッション効果
→広告を表示してユーザーが視聴した段階で得られること
(2) トラフィック効果
→ユーザーをサイトに誘導する(クリックさせる)こと
(3) レスポンス効果
→そのサイトのユーザーがアクション(購入等)すること
(同上, 34-38頁より抜粋)
三, 情報の安全性とは?
(1) 情報そのものが嘘、偽りのものでないこと
(2) 情報が発信されてから伝達さえていく過程においてその情報そのものの内容的に当初と同一のものとして存在していくこと、すなわち、情報内容における変質・変容・改編等がないこと
(3) その情報そのものが予定される伝達されるルート以外には伝達されないこと、すなわち、情報の伝達ルートに変更がないこと
(4) その情報そのものに関わる関係当事者以外の者がその情報に接触していないこと、すなわち、情報への関係当事者以外の非接触の存在
(清野, 2009, 19頁引用)
四, インターネットの反効用
・膨大な情報が流入
・個人が(ⅰ)gatekeeperの役割果たすことは困難(インターネット利用者は無意識的にgatekeeperの作業を行っている)
<語句>
(ⅰ)gatekeeper…情報を収集し、それを時間的な系列や他の社会的な事象と組み合わせて整理して意味を与え、ある情報は強調し、ある情報は棄却する、長年の職業的トレーニングを経た人が何段階にもわたって行う作業に携わる人のこと。
(金森他編, 立山著, 1998, 33頁参照)
五, インターネット社会で起こった問題の事例‐少年法61条の少年の実名など公開問題を例として‐
神戸の小学校殺人事件の容疑者として逮捕された当時14歳の少年の顔写真がインターネット上に掲載
された事件がある。この事件自体がマスコミでも大々的に取り上げられたがゆえに、少年法61条によれ
ば本来公開されないはずの少年の顔写真や実名がホームページやニュースグループ等に出回った。それ
に対してプロバイダが削除責任などを負うべきか否か議論が起きた。
(金森他編, 寺中著, 1998, 62頁引用)
上記の事例から、インターネットは、世界規模で広がる様相をもっており、その影響力は非常に大きいことがわかる。特にもホームページやブログなど個人が発信する情報については、その情報の信頼性や妥当性があるとはいえないし、場合によっては違法行為を行っていることも考えられる。
<参考>
少年法はその1条で健全育成をうたっており、これが22条2項の審判非公開、61条の実名非公開、少年審判規則7条1項の記録の閲覧・コピーの原則的禁止の根拠でもある。しかし61条の規定は一般に対する実体的な禁止規範でありながら、憲法21条の表現の自由に配慮して罰則規定を設けていない。そのためあくまでも非公開は自主規制という性格となっている。しかし61条の規定は名宛人としてはマスコミのように情報を一元的に管理する立場を想定している。したがって、媒介が何であれ、通常のマスコミに適用されることに異論はないが、マスコミ以外の個人が運営するインターネット上のコンテンツに対して同条の適用があるかという点については疑問である。
(同上, 62頁要約)
五, まとめ
我々は簡単な作業と短い時間でインターネットから情報を入手できる。しかし、世界中の人が短時間で関わっており、その情報量は膨大である。中には個人が発信しているものが多いので、違法行為や信頼性に欠けるものも多くある。便利さの裏には落とし穴もあるので、利用する際には十分な注意が必要である。
【参考文献】
清野正哉, 『情報倫理 インターネット社会における法とルール』, 中央経済社, 2009年
金森他編, 『インターネット法学案内』, 日本評論社, 1998年
横山隆治, 『インターネット広告革命』, 宣伝会議, 2005年