A.ゴミ問題の性質と今日的問題点
1.自然環境との物質代謝過程の中で捉える
1)生物的生存の次元:食物採取と糞尿排出の環境への負荷
紀元前8000年:100万人、紀元前2500年:1億人、西暦0年:2億人、1000年:3億人、1650年:5億人、1800年:10億人、1927年:20億人、1971年:40億人、1999年:60億人、2011年:70億人
2)目的意識的活動である人間労働による自然環境への働きかけ
ex. ビーバーのよる倒木と人間の森林伐採との違い
自己の生存に必要な限度を越えうる
3)人間に「有用」な資源/エネルギーの自然からの搾取/取出し:生産活動a
「不要物」の廃棄:ex. 鉱山 * 廃棄物α
4)搾取/取出した資源/エネルギーによる人工物の加工:生産活動b
* 廃棄物β
5)消費:3)4)の使用、消尽
* 廃棄物δ
エントロピー問題
2.ゴミ(廃棄物)全体の相互関係を把握する。
目に見える生活ゴミ(δの一部)、見えない産業廃棄物(αβなど)
法令上の扱いや区分は、
3.人類の歴史の必然か? 克服不能な問題か?
人間の生産/消費活動を見直し:
自然環境への負荷(環境破壊、資源枯渇)を軽減し、人間と自然との共生可能性を高める
4.過剰な生産と消費の原因
大量生産と大量消費を支えているものは?
a)商品(売れることを目的としたモノ)生産を生産の基本とする社会。
b)そこでは、欲求(人々の意識)の生産も不可欠。
売れさえすれば人間生活に本来は不要なものでも生産される。
本来は不要なものでも欲求されれば「必要なもの」になる。
売るために欲しがらせるのが「付加価値」作戦:PR
5.公共の事柄
総ての人々/多くの民衆にとって必要であるが、
個人の努力では対応することができず、
共同の取組みを必要とする社会的営み。
ex. 廃棄物処理、上下水道、保健衛生、防災、交通通信、エネルギー供給(電気、ガスなど)、教育
(経済学でいう「公共財」は、同種の問題を経済的価値のみに還元して捉えるもので、異なる概念)
B.第2ステージ報告と第3ステージ報告との関係:
1.第2ステージの課題:対象とする社会事象の概括的把握と、その今日的問題点を把握すること。
1)授業を担当する教師自身が、授業の準備のために授業で取上げる社会事象について自分の認識を深めておく必要がある。ここでは同時に、教師として授業に臨む者自身が、一般市民としてその社会事象にどのように関わるかも問われる。
2)当該の社会事象と子どもたちがどのような関わりをもっているか:
子どもたちが、当該の社会事象について何を知っているか、どのように捉えているか等の実態を、できるだけ正確に把握しておくこと。
3)上記1)と2)との間に距離や落差があるのは当然であり、そのことは2)が1)と「離れ過ぎている」から等として1)をいい加減にする理由にはならない。
4)子どもたちが将来、社会的に自立した主体となって生活する(ここでは現在の1)と同等)際に必要となる事柄を、2)から出発して、段階を追って学んで行く。学校での授業は、その階梯のそれぞれの段階に位置づけられるだろう。
5)小学校での学習は、その最初の一歩または数段にあたるだろう。
第2ステージでは、主に上記の1)を行い、その上で2)や4)の見通しを考えたい。
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