2010年7月8日木曜日

授業案「異文化理解」*美術批評


横尾班


〈ボルボックス班〉

・インドの中でも、カレーの種類が豊富なのが、この指導案の説明から読み取れたが、「作って食べよう」では、どの種類のインドカレーを作るのかが曖昧。また、各班ごとに違うのかも曖昧である。

・五感をフルに使った体験と言うのは、子どもたちも楽しめてとてもよいと思う。

・香辛料を用意するなど、実際物に触れる機会が多くてとてもよいと思う。

・授業案としてはとても面白いと思うが、やはり作ってみようというのは授業案として無理があるのではないだろうか。特に、他教科の先生の協力や、調理器具の危険性についての事前指導をしなければならないので、果たして、そこまで長く時間を取ってやる必要のある授業なのか。

・「インドの食文化について調べよう」で、もう一時間時間を取り、「レシピを調べよう」という調べ学習を取り入れてもいいと思う。

・口頭での重要な説明は指導案にも載せていいと思う。とくに、食文化を通して「宗教を学ばせたい」という意見は、指導案内では読み取ることができない。


〈横尾班の自己評価〉

・評価がいらないという指摘があったが、他の指導法では評価を描く指導案を作成したこともあった。だから、一概にいらないと言えるか疑問に感じた。しかし、私たち自身の指導案内に書いた、教師の一方的な見方しかできない、尺度の無い評価は不必要だと感じたので、今後気をつけていきたい。

・授業内で指摘があったが、小単元の展開が、指導案では曖昧に書いてあった。指導案を見ただけで、自分たちの伝えたいこと、やりたいことを、見た人に分かってもらうよう作成しなければと感じた。

・食文化→伝統→政治という流れは、小学生には身近なものから遠ざかっているという指摘があったが、確かに遠ざかっていると感じた。伝統については、子どもたちにも身近な「衣服」という分野で取り組めば、少しは身近になると思うが、タイの「政治」については検討し直した方がいいと思った。

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<ダリ班>


横尾班

・目標に「身近なところから学び」とあるが、伝統・政治などについては児童の生活と身近なものとはいえないのではないか。

・構成・計画については食文化(中国)、伝統(韓国)、政治(タイ)とあるが、中国の伝統や政治については触れないのか。そうであるならば、中国の場合で言うと調べ学習では食文化を扱い、その他のことについては講義形式をとるなどして多少は触れるようにすべきだと考える。

・食文化は子どもたちにとって親しみやすい内容であり、自分の生活経験を活かすことができて良い。さらに、調べ学習をすることで児童の中に浸透しやすいものとなっている。

・導入で子どもたちに中国から入ってきた食べ物をあげさせて、それをもとにグループをつくるようであるが、中国から入ってきたのか否かがまず問題になるのではないか。明らかにそうであるものは良いが、日本で発展し、全く別のものになっていることも考えられる。また、分類わけをする際に、子どもたちに分類を考えさせると良いという発表をしていたが、調べていないうちに分類をさせてしまうと、調べ学習をしていく中で混乱が生まれてしまう可能性がある。分類については教師が行い、その分類わけの意味を調べることで納得できるようなかたちにした方が良いのではないか。


ボルボックス班

・単元の目標に「日本の食文化とインドの食文化の類似点と相似点を調べて考える」とあるが、今回の授業案では「カレーの違い」にとどまってしまい、食文化全体を比較することは難しいように感じられる。確かに、カレーはインドの代表的な料理として挙げられるが、日本の代表的な料理としてしまうことには疑問を感じる。それならば「和食」と呼べるようなものの特徴を比較した方が良いのではないか。

・他教科との関連をもたせ、実際にカレーを食べるという活動を取り入れることは実践的で良い。

・インドカレーについて調べてそれを発表した後に実際にカレーを食べ、日本のカレーとの違いを考えるという流れはあまりスムーズでないのではないか。インドカレーについて調べる段階ですでに日本のカレーとの違いはわかってくるのが自然であり、1回目の発表の時点でその違いにまで言及しておき、カレーを食べることでその違いを実感・確認するような流れにした方が良いと考える。


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<><吉岡班>

[ボルボックス班]
良かった点
・子ども達に大変馴染みのある「カレー」を題材に取り上げたことは、とても適切であると思う。

  • 授業内に家庭科の時間を盛り込み、カレーを実際に作ってみるのもいい。社会科は座学や見学だけの科目ではなく、他の教科との関連性がもてる点に新しさを感じた。
    ・授業の展開において、「インドの食文化について調べよう」のところの「テーマが似ないように、教師が助言する。」のところで、具体的な補足説明がされており、理解しやすかった。


改善が必要と思われる点
・小単元のねらいとして、「カレーの似ている点と異なっている点に気付き、インドに対しての知識を深めることができる。」とあるが、インドに対しての知識を深めることに対しては、授業案はまだ不十分であると感じた。インドの知識を深めるには、他の視点、例えば宗教や社会の現状なども必要になってくるだろう。授業案はカレーについてだけしかまとめていないので、さらに単元の時間をのばし社会事象にも目を向けていくべきと考える。



[横尾班]
良かった点
・単元として中国を取り上げる際、子ども達が興味を持ちやすいように、食文化、それもチャーシューや肉まんといった本当に子どもの身近にあるものを題材として用いてる点がいいと思った。子どもの興味関心を引きやすい。


改善が必要と思われる点
・全体の構成・計画として、単元ではアジアについて子ども達に理解をさせることをねらいとしているが、授業案ではその興味付けの段階の中国の食文化までしか考えられていない。
・授業の流れとして、調べ学習が多く、子ども達が実際何かに触れたり、感じたりする機会が少ない。そのため授業全体に単純な印象を受けた。また、好きな食べ物の流通の起源だけでは、班全体でまとめる内容としては少ないと感じた。さらに、アジアの国々についてまとめるには、授業において中国の食文化から視野を広げ、アジアの諸国に焦点をおく授業をする必要が出てくるが、私は上記の理由から、授業案にアジアの諸国についても考える時間を十分にとる必要があると考える。

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<ムンク班>

横尾班への批評


・中国に限定せず、もっと広くアジアのことを取り扱ってもよいのではないだろうか

中華料理には広東料理や四川料理がある、というように両方をまとめる方法も子供たちは取ることもできるし、インドや東南、西アジアにも郷土に合った料理というものが存在するので、それを調べさせてみてはどうだろうか

実際に食文化として日本に流れてきているものもいくつかある

難易度的に見ても、それほど高いハードルではないと思われる

・指導案の設計等、作りこみが良いと思った

・インターネット、図書室の利用は、時間ごとに限定しないほうが調べ物がスムーズに行くのではないか

図書室とパソコン室が同時に利用できるかどうかは別として



ボルボックス班への批評


・一晩とは思えない完成度だった

・説明する上で情報過多であり、もう少し簡潔かつスマートにしゃべってほしいところがあった

・カレーにばかり限定すると、いくら種類があるとはいえ検索の引っかかりやすさ等の関係上少しは班ごとに内容が被ってしまう

香辛料について、地域ごとの特性とカレーの種類の関係について、等テーマを様々に最初に設定させた上で、調べ学習を行うのも良いのではないだろうか

・実際に料理を作るのは面白いと思った

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ロラン班による、横尾班、ボルボックス班の批評


横尾班についての批評

積極的に評価できる点

調べ学習の手段として、インターネットと図書室を利用しての調べ方が使われている。マスコミにも通じるところであるが、順番が、インターネットの調べ学習→本での調べ学習という形で、大きく問題の概要を掴んでから本で詳しく調べることが出来るように感じた。どちらかというと、良くも悪くも、社会科の問題一本を集中して学習する指導案というよりも、授業の中に、「学習の仕方の学習」を伝えようとする雰囲気が感じられ、賛否の両論がありそうであるが、自分はこの点がこの指導案のよいところだと感じた。

消極的な評価の点(疑問に感じた点)

アジアのことについて子供の知らないことを、知識として伝える手段が多く用いられているように感じられ、文章や画像による学びが多いように思った。こういった形は、多くの情報を子供に与えるには向いているが、子供が高校生くらいになったときには、すでに授業のことなど記憶にないことが多い。そうなってしまうよりは、例えば中国の料理を食べてみたり、中国の文化の遊びで遊んでみたりしたほうが、なんとなくでも記憶に残り、生徒のその後を動かすことの出来る授業に繋がると考えた。

ボルボックス班についての批評

積極的に評価できる点

この指導案での目玉として、インドのカレーを実際に作ってみよう!といった実技がある。上の横尾班についての批評でも上げたが、子供がいざ大人になったときに、子供を動かす授業になるかならないか、といった点で、素材を見て、触れることで記憶に残り、将来子供を動かすことのできるよい経験を与える授業であると感じた。

消極的に評価できる点(疑問に感じた点など)

この授業の不安な点は、児童の記憶に残ったものの、「インドカレー作って食べた」というだけの残り方にならないかが不安な点であった。子供はおそらく、カレーを作って食べることだけに舞い上がってしまうかもしれないからである。私が考えたのは、可能であれば、実際に日本に来ているインド人を招いて、カレーを作ってもらうことである。どこでもそれを実現するのは難しいことではあると思うが、たとえば私の家の近くには、インド人の経営するインドカレー店がある。そこに小学校の国際交流の授業として、カレーを作りに来てほしい、と依頼することが出来ると思った。(やはり、学校で行う授業として何か問題があるのだろうか。)


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