<ダリ班>
「地域」について
・「地域」とは、子ども自身の生まれ育った場所のことなのか、学校の所在地なのかが判断できない。特に私立の学校の場合、遠方から通う子どももいるのでそれについて明確にする必要があるのではないか。
・「地域」は県よりも小さく市や区よりも大きい範囲を示しているようだが分かりづらい。
・「地域」について学習する際、郷土資料館や史跡などの有無によっても取り扱う内容が身近で理解しやすい場合とそうでない場合がある。
・現在は日本の領土でも、過去にはその場所が他国であった場合(例えば沖縄や北海道)はそれをどのように捉えるのかによっても違いが出る。
・「地域社会に対する誇りと愛情を育てる」ことも必要だとは思うが、それ自体が目標になるのではなく、学んでいって育った自国愛を将来につなげるために社会を学習するべき。
分野について
・歴史について、取り上げる人物の例として挙げられている人数が日本の古代から戦国時代までの約1600年間で21人、江戸時代から近代までの約400年間でも21人となっており、内容の密度に差があるように思われる。
・第6学年になって初めて具体的な国際関係の内容が出てくる。第3学年・第4学年で自分の地域、次に第5学年で日本、最後に第6学年で世界というように広げていくよりも国際関係の内容も日本と比較しながら並行して学んだ方が良いのではないか。
指導要領そのものについて
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はじめに歴史について述べようと思う。社会科の教科目標は以下のとおりである。
社会生活についての理解を図り、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。
目標の中に「我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て」とある。日本の歴史について考えてみると、やはり第二次世界大戦が浮かんでくる。しかしこの目標およびその解説の中に戦争についてはふれていない。ふれているのは国土についての環境や地域社会、政治についてばかりである。確かに日本は高度経済成長期を境に先進国の仲間入りをし、いまではその筆頭となっている。しかしその前には日本は戦争という大きな過ちを犯してしまい、それを二度とやってはならないことを確認しなくてはならないはずだ。にもかかわらず目標にそのことにふれられていないのはどういうことなのか。これが班としての歴史に関しての批評である。
次に地域社会についてである。今社会科は第3学年から学習することになっている。確かに歴史についてや政治についてを第1・2学年で扱うのは厳しいと思われる。しかし地域社会についてであればもっと早い段階でも学習または体験することはできるのではないか、という意見がでた。私たちの中でも、総合学習としてであるが第1・2学年で近所の商店街などに実際に行って自分たちで地図を作る、他には公民館のイベントに参加しそれについてまとめる、というような授業を受けた者もいた。狭い地域ではあるが、これも立派な地域社会についての学習である。これをすべての学校で行うことができれば、本格的な社会科を学習する第3・4学年にスムーズに移行できるのではないだろうか。これが班としての地域社会に関しての批評である。
以上
1.学習指導要領のまとまりが悪い。
大学で他の教科を専門に学んだ教師が社会の授業の進め方がわからず利用した際、この指導要領では求めていることに対しての情報が少なくあまり参考にならない。
そうすることによって指導要領を鵜呑みにした授業にならないですむと考えられる。
「地域社会に関する内容」とは、社会科見学に行かせるような指導内容なのか?もしそうであるのならば、実際に社会科見学が行われる回数が少ないのではないだろうか。
高校で学ぶような現代社会を教えるとまではいかなくとも、現代の日本がいかに国外と交流を深めているかということを伝えた方が良い。
まとめ
第6学年の内容(1)の取り扱いにおいて、人物を取り上げ人物の働きを通して学習できるように指導するとあるが、それは、先生一人ひとりの知識や能力によって学習する内容が大きく差が出てしまうと思われる。また、誰を取り上げるかによっても世界観が変わってしまう。だから、必ず取り上げる特定の人物を定めておくべきだと思う。さらに、近代に起こったことが戦後国民生活を向上させ国際社会の中で重要な役割を果たしてきたことを理解するには、児童の発育の段階を考慮するとあるが、もし発育が遅い児童が多かった場合は、教えなくてもよいのかという疑問が上がった。
学習指導要領の中の、「生きる力」というのにも注目した。今の子どもたちに問われているのは現代を生きていくことだ。それを社会という科目で考えることは難しいことだと思った。一見、社会という教科が数学や理科よりも現代を考えていく科目なので生きる力を身につけさせるには良いかもしれない。だが、数学のように自分で公式から理論を考えて答えを導かない点より社会は暗記科目である。生きる上では数学や理科の考える力の方が大切だと思われる。今回の学習指導要領では、子どもたちに社会が暗記科目だという意識を減らすために内容に様々な工夫を取り込んでいたが、他の科目に比べるとやはり暗記の要素が強くなっている。
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<三畳班>
<第3,4学年>
全体的には具体性があるが、取り上げている内容はやや盛りだくさんだと思う。時間配分において、様々な考慮が必要とされる。小学校3年生にとって初めて学習する教科なのであるのだからもう少し内容をしぼり、のびのびと行った方がよいのではないか。だが、内容によく見られる地域やその地域の人々に関する見学や調査等の“実際に体験する活動”は生徒が社会科を身近に感じることができるので重要でありこれからも継続すべき点であると思う。しかし、“国旗があることを理解させ、それを尊重する態度を育てる”というのは、小学校3,4年にとっては難しいのではないかと思う。そしてどこか無理やり押し付けているような“昔の日本”をイメージしてしまいがちである。
<第5学年>
産業の部分に関してはあまり深入りしすぎていないところが目標、内容ともにいいと思った。しかしながら食料自給率の低さだったり、産業の空洞化だったり、いま日本が抱えている深刻な問題が多々あり、子どもたちが理解できる範囲でこういった諸問題も考えさせるように取り組むべきであると思う。全体的に第5学年は、学習したうえでなにか気づくことはないかと「考える」ことを重視させようという意図が伝わってくる。農業や水産業、工業、通信などは子どもたちにとっても身近な分野であると思うので、自分の考えを育んでいくにはいい内容ではないかなと思った。ただ国土に対する愛情や国旗を尊重する態度の記述に関してはわざわざ「学校」という場で教えるようなものではないような気がする。まだ幼い子供たちに一方的な価値観を押し付けるのはよくない。
<第6学年>
第5学年までは日本国内だけにとどまっていた学習をさらに世界へと目を向けるという点では、現在の国際化を考えると、中学校の勉強の導入にもなるのでとても良いと思う。
また、第6学年では、低学年・中学年に記載されている、国の伝統や文化についての理解を深めるだけでなく、さらに「尊重する態度」を育てることを重視するとある。尊重する態度を養うために具体的な案が指導要領には簡潔に記載されていない。長い文章ではなく、簡潔でわかりやすい指導要領にすることで指導者にあたる側も指導要領をより、上手に活用できるのではないかと考える。
最後に、児童・生徒の発達の段階に応じた教育によって、一人一人が社会的な見方や考え方を身につけることができるような指導要領にしていくことが大切だと思う。
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