2008年6月19日木曜日

社会認識の基礎問題(その3)

080529 <農業問題>を通して見えてくるもの

A.農業も人間と自然との物質代謝過程の中で営まれている <自然と人間との関係の領域>

農業の自然的条件:<土地>
 1)土地の有限性:どこでもコメが作れる訳ではない、穀物のための開拓でジャングルが失われる
 2)気象による制約:災害、温暖化

← 国境を越えた地球規模での有限性・制約

 3)(自然界に存在しなかった)化学肥料、農薬による環境汚染;ポストハーヴェスト問題
 4)(自然界に存在しなかった)遺伝子組み換え農産物による自然との物質代謝過程の攪乱

→ 安全問題:人間内部の自然の攪乱

B.農産物の価格 <人間の物質的相互関係:経済の領域>

1)需要と供給の商品関係(市場)による決定(C−1)

→ 2007〜08年の急騰は需給関係で説明できるか?

資本:儲けのための資金 ⇒ その投資:「資本の市場関係」

石油や穀物に投資される資金のそれぞれ数百倍以上が、金融デリバティブで全世界を駆け巡っている
   

2)「高い国産食料よりも安い輸入食料」で良いか?

  * 安全性に不安、新鮮さ・「おいしさ」に欠ける、輸送時のCO2排出;産出国(輸出国)の変動(天候変化、不作、政治経済事情)に振り回される

  * 農業経営者の生活の安定:会社、株主・投資家の儲けではなく

→ 人為的規制:国内農家への交付金や低利融資、輸入関税、政府による買取り(価格支持)、土地改革、灌漑・道路整備など
      cf. ゴミの排出・リサイクル・処理の負担


D.<規制>(Cに対する)が社会課題になる:

規制の内容、その目的や基準;規制の内容の作る手続や仕組み、規制を行う主体など。
これは社会構成員の<共通の問題>:公共事項となる

<政治と法の領域>:

何を公共事項とするか、それをどのような手続きで決定するか、どのように誰が実行するか、その財源はどうするか

E.A〜Cについての人々のものの感じ方、考え方、判断基準:<文化>の領域

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