2008年5月4日日曜日

第2ステージの課題

第二ステージでは、これからとりあげる単元で扱う社会問題それ自体についての勉強をする。

<扱う対象について教員自身がしっかりした認識をもつ>

小学校での授業が成り立つためには、子どもたちの学習を支え、授業を担当する者(教師)自身が、そこで扱う対象についてしっかりした認識をもっていることが、良い授業を行う上での不可欠の前提となる。教師に求められるこの前提とは、社会科の場合はつまるところ社会科学の素養ということになろう。社会科学とは社会現象についての科学・学問の総称で、そこには経済学や社会学、政治学や法学、そして歴史学や地理学などの分野が含まれている。

<万能でなければ務まらないか?>

しかし、現実には社会科の授業を担当する者が、この社会科学の全分野にわたる基礎的素養を身につけることはできない。また、それだけの広い分野の基礎的素養を総合的に身につけるまで誰も社会科の授業を担当することはできないとしたら、現実のこの社会で社会科教育を担当できる人は極めて少なくなってしまい、小学校での社会科教育はなり立たなくなるだろう。それにまた、実際の小学校での社会科の授業をすすめていくうえでは、教員は社会科学のスーパーマンでなくては務まらないわけでもない。

<二つの要請>

必要なことは、人々が生きる社会の基本的問題について科学的なものの見方を身につけていくこと。そして、社会科教育の現場に立ったときに、社会科教育を進めるために必要な情報(社会問題とその学問的研究成果)を収集し処理する能力の基礎を身につけることだろう。

このうち前者は、この学部では「社会科概説」の授業で、学習できることになっている。ところが、「社会科概説」のカリキュラム上の位置づけにもかかわらず、その内容は社会科学のある分野の「概説」であったりすることが過去にあった。また、現在の履修規定では、社会科指導法Aを履修する者の総てが、「社会科概説」を必ず履修する仕組みにはなっていない。

この授業の第2ステージでは、三つの単元で扱う社会問題それ自体についての勉強を通して、前者については、次の諸点をコメントする予定である:

1)社会現象について学ぶとはどういうことか?
  
2)事実と意見の区別

3)分析と総合

4)実証と批判

5)時空の経験的制約

6)共同の仕組み

後者については、第2ステージでの班報告作成に取り組む中で、実際に練習してもらう。

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