2010年8月13日金曜日

『国際理解』導入部授業案批評*美術3班

横尾班

ミュシャ班についての批評
はじめはカレーから関連して考えていたのに、いきなり二時間目で宗教や民族、農業などの新しいテーマが提示されていて、これでは小学生は分かりづらいのではないだろうか。「カレーを調べたのはなんのため?」となってしまうのではないかと感じた。しかも「カレー→宗教・民族など→カレー作り」と、授業を進める上での流れが悪く感じる。なので、宗教などのテーマを扱いたいのであれば、せっかくカレーについて調べたのでカレーと絡めて扱い、テーマが途切れないようにするべきであると思う。
カレー料理を作るのなら、もう少しカレーについて調べる時間をとってもいいのではないだろうか。時間配分にもう少し工夫が欲しいと思った。
最初のクイズの時間で、日本のカレーについてのクイズを出すのではなく、香辛料の写真を子どもたちに見せ、「この材料でどんな料理ができるのか」という問いのほうが子どもたちも驚くし、日本とインドのカレーの違いに気づけるのではないだろうか。
インドのまとめで国際理解とは何か、と子どもたちに問いかけたり、あるいは投げかけたりするのは早いのではないか。インドのことだけで国際理解の結論を出すのは早い。

ダリ班についての批評
「人からの学び」というのは「地域との関わり」との関連もみられ、工夫されていてよいと思う。他の班にはあまりなかったので、面白いと感じた。
イメージマップを2時間続きでやるのはよくないと思う。途中で終わらせて2時間目にやるとなると、集中力が切れてしまうのではないか。子供たちの関心も逸れてしまうおそれもある。イメージマップという方法自体は良いと思うので、さらに何かしらの工夫が必要である。
授業中の質疑応答にもあったが、「中国人を連れてくる」のは意外と大変だと思われる。近所に住んでいたとしてもインタビューをOKしてくれるかわからない。(日本語が達者なら構わないが、そうでない場合通訳などの手配も難しいのでは?)
ーーーーーーーーーーーーーー
<吉岡班>

●ダリ班
<積極的評価>
・全体の流れはとてもスムーズである。起承転結が出来ている。
・イメージマップは新しいアイデアであり、とても面白いと思った。これを作成することにより、子ども自身が何を考えているのかがとても分かりやすくなると思われる。
・質問会を設け、そのために準備の時間をしっかりと設けているところがとてもよい。役割分担を明確にすることで、生徒一人一人に責任感を持たせることができるし、よい訓練になると思う。
・また、お礼の手紙やインタビューを冊子にしてまとめるのも、クラスの記録として形に残せて良い。

<消極的評価>
・中国の人を招くことは、その地域の状況に左右される。良い案だとは思うが実用性に少し欠ける。近くにそういった機関がない場合の対処の記述もレジュメに加えてあるとバリエーションが増えて良いと思う。
・インタビュー形式で行われるが、子供が中国のことを知る上で本当に必要な内容が得られるのかが不安。ただ子どもの興味のあることのみの質問になってしまっては、多方面から中国という国を知ることは出来ないように思える。


●ミュシャ班
<積極的評価>
・クイズ形式から入ることによって、子どもの興味を引きやすい。レジュメをつくるなどの工夫がなされており、分かりやすい。
・実際にインドカレーを作ってみるという工程によって、子どもの授業への印象づけができているように思う。子どもはカレーが好きであるし、単元に対する食いつきも良いと予想される。
・単元名が簡潔でありわかりやすい。全体的な内容も、カレーからインドの地理・地域に発展し、インドと日本の関わりを学ぶという流れであり、理にかなっている。
・インドについての発表の際も、子どものチャレンジ精神を潰さないという配慮のもと、あえて形式を決めなかったのは面白いと思った。

<消極的評価>
・インドカレーと日本のカレーを子どもに比較させる事項があったが、子どもの知っているインドカレーに関する知識はあまりないように思える。実際、一口にインドカレーと言っても様々なものがあり、また私たち大学生でもそれに関する知識は豊富とは言い難い。前情報をきちんと入手させてから検討させたほうが、発展させやすいように思われる。
・講義中にも指摘があったが、二時間目のグレープ活動のテーマが一時間目と離れすぎていることに違和感を感じる。しかし、インドのカレーからこのような内容に発展するのは望ましいと思うので、二時間目の内容を発展へと回し、インドカレーの実習は流れを見て、一時間目の続きに行うのが良いと思う。
ーーーーーーーーーーーーーー

<ロラン班>

【ダリ班】
積極面
・「イメージマップ」は新しい感じがして良いアイディアだと思った。生徒も作る過程を楽しむことができるはずだし、視覚的なものなので、関係性(関連性?)も生徒が理解する上で役に立つと感じた。

・イメージマップに関して、二回イメージマップを作る作業があるが、一枚作るのに30分程度はかかると思われるので、二回目(生徒が自身の変化に気づく材料となる重要な作業であると思われる)の際に、飽きてしまい、内容の伴わないイメージマップになってしまうのではないか、と考えた。
消極面
・ダリ班の人に質問の時間に答えてもらったが、中国人の方はどこからきていただくのか、ある程度具体的に(「例えば埼玉県の○○市なら△△センター」くらいは)記述しておくとよかったと考える。
代案
・上記に書いた「例えば」くらいでもプリントに記述しておくとよかったと思う。

【ミュシャ班】
積極面
・「カレー」という生徒が興味を持ちやすそうな観点からインドについて触れていくやり方は良いと思った。
消極面
・1時間目で「カレー」2時間目で「宗教・民族・農業・水産業・畜産・気候風土・貿易」「カレー」という流れはちぐはぐしているという印象を受けた。折角「カレーから発展してインド全体へ興味を持たせる」という意図があるのにうまく機能していないと思われる。
・メモをしながら発表を聞くということをぼんやりと計画していたが、あいまいなものにならないためにも、「メモを授業が終わった後に先生に提出してもらいます」などといって、生徒にメモの質を高める意識を与えておいたほうが、発表を聞く姿勢を育てるためのメモとしてうまく機能してくれるのではないか、と考えた。

・生徒の発表に関して、自由な発表をとらせるということであったが、恐らく多くの生徒は自由な発表に関して漠然としすぎていて、発表をまとめることが出来なくなったり、発表の手段を考えることだけに意識がいってしまう可能性が考えられる。そうならないためにも、発表形式は教員が基本的なものを示し、もしも何か変わった手段で発表を行ってみたい、という児童がいた場合は、その発表を教員が手伝って実現する、ということ最もよい手段ではないか。
代案
・授業の流れを変えてみる、授業の内容を一部変えてみる、等々、生徒の頭の中が「インド=カレー」とならないように工夫する必要があると感じた。

=================

<ミュシャ班>

■ダリ班への批評
・イメージマップを作るというのは児童が自分の中国に対するイメージを、視覚的に確認できてよいと思いました。
・自分たちでただ「調べる」だけの授業ではなく、実際の中国人の方々との交流をもつ機会を取り入れているところが良いと思いました。
・中国の方から話を聞くというのは、その人の年齢などによってお話が全く変わってくると思います。児童がどんなことを聞きたいかを明確にして、それに対して解答のできる人を選んで来る必要があるように思います。
・一時間目のはじめのなぞなぞは難しすぎて児童が戸惑う可能性があるため、導入としては「漢字はどの国で生まれたでしょう?」などのシンプルな質問のほうが適切だと考えられます。
・児童の知識はダリ班自身がプリントで挙げていることぐらいだと思われるので、マップ制作にそこまで多くの時間をかける必要はないと考えられます。
・在日中国人と交流するのであれば、形式的なインタビューで終わってしまってはもったいないので、深い交流の場にするため、児童側からも日本の伝統文化を紹介するなど、児童主体のなんらかの「もてなし」を企画するとなお良いと考えられます。

■ミュシャ班の自己批評
・やはり調べ学習のテーマに関してもっと前回の授業との関連性を明確にし、授業の流れを見直したいと思います。
・この導入部には配慮に欠ける点が多いので、直したいと思います。特に、カレーからいきなり宗教等の難しいテーマでのグループ学習を始めることに児童が困惑する可能性が高いので注意したいです。
・調理実習に対する配慮も足りなかったように思います。特に家庭科の調理実習で生の肉や魚が使えないということを初めて知ったので、今後は気をつけたいと思います。
・この導入案には3時間程度必要という意見をきいてなるほどと思いました。
・教師が児童の感想をうまく引き出すことも大切だと分かりました。
・魅力的な授業を作っていくことは大変だと感じました。常に自分が社会の出来事に興味を持ち、アンテナをはっていかないと魅力的な授業にはならないことを実感しました。

========

ダリ班(自己批評)
・イメージマップの内容だけで変化を感じるのではなく、広がり方や作業時間の長さなどを通して変化を感じる。
(また、その変化は子ども自身だけでは気付かないので、教師からの支援をしっかりと行うように配慮したい。)

・導入は導入であるべきという考えで、その後の展開への繋がりを強く意識した授業案にしたが、時間配分についての配慮が感じられない。そのために子ども任せになっている部分がある。その後の学習の内容の質に大きな差が出ると思う。
・どこから中国人を連れてくるのかということは、指摘されるまで意識するほどの考えが無かったと言える。学校と地域の関係も考えた上で計画を立てるべきだと思う。
例えば、留学生のように一時的に日本にいる中国人なのか、生まれも育ちも日本である中国人なのかというのは大きな違いである。
・宿題にする、ということをあまりしたくなかったが、意識させるという点では宿題(授業時間外の課題)があっても良かったかもしれない。


ミュシャ班
・視覚だけでなく、味覚・嗅覚・触覚でもインドと日本の違いを感じさせ…という観点は良いと思う。

・特に1時間目の導入に見られるが、対象学年に比べて内容(発問)が幼いような印象を受ける。発問が先行しているためにそう感じるのだと思われる。
・誘導するのは疑問である。誘導せずとも、自然に流れが出来ると思う。
・インドカレーを作る際に子どもの味覚に合うカレー、とあるがそれではインドカレーを作る意味がない。既知とのギャップによって、印象がより強く残るのではないか。
・上の事から感じることは、子どもに寄り過ぎている(子どもが不自由ないように、というような過剰な配慮)からだと考える。
・カレー→調べ→カレーという流れは、前後の繋がりが断ち切られるようで、それぞれの良いところがうまく生かせない気がする。
・日本とインドのカレー比較→インド内のカレーの比較について、日本のカレーはインドのカレーを受けてのものであるから、同列に扱うのは違う気がする。途中で分かりやすくするための比較として提示し、日本の文化について理解を深めるという扱いの方がいいと思う。
----

0 件のコメント:

コメントを投稿